前回、離島応援ナースの応援先のほとんどは、【へき地】にある《へき地診療所》以外の医療機関です、というお話をしました。

私が実際に応援へ行った種子島にある病院も《へき地医療拠点病院》でした。
基本的にナースの業務内容的には、本土の病院と変わりません。
また拠点病院と言うくらいですので、それなりの設備が整っていますしスタッフもたくさん働いています。
とはいえ本土の街の中心にあるような病院とはやはり違います。
何がどう違うのでしょうか?
今回は、離島にある病院の特徴や実際に働いてみて感じた点を7つ紹介します。
《へき地医療拠点病院》の特徴7選
1 物品の不足
例えばドレッシング材一つとっても、大きな病院では用途によって使う種類や大きさを選べますが、島では選ぶのに悩むほど種類も大きさもありません。
さらに在庫も少ないです。
あれがあったら便利なのに・・・なんて思うこともありますが、他のもので代用したり工夫して使っています。
特に外科の先生は手先も器用なうえに、今ある物品のみで対応することが得意でしたね。

そこで学んだ処置のやり方、次の応援先でも応用して使えそう!
2 物品の輸送に時間がかかる
物品を補充するには、本土から送ってもらう他ありません。
貨物フェリーに乗せて届きます。
例えばもし院内の輸血が足りなくなったら、本土でしたら緊急の場合は隣の病院から輸血をいただくことができますよね。
島では輸送される曜日と時間が決まっており、輸送にも何時間もかかるので、輸血など命に関わる物品が不足したら大変なことです。
実際準夜帯で、オペ後の出血が続いており深夜帯には輸血が足りなくなるかもしれない、という事態が起こったことがあります。
ヘリを飛ばして届けてもらうという案も出ましたが、手っ取り早く患者さんと同じ血液型のスタッフが夜中に招集されました。

深夜帯で出血は落ち着いたので、血は抜かれずに済みました~
応援ナース仲間も別の島で同じような状況を経験していましたので、頻回ではないにしろ輸血が足りなくなるのはあるあるなのかもしれませんね。
3 人員の不足
《へき地診療所》へドクターを派遣している《へき地医療拠点病院》自身も、鹿児島本土からたくさんのドクターに応援に来ていただいている状況です。
スタッフが足りないのは、全国どこでも同じですね。
私たち応援ナース同様、リハさんや薬剤師さんも島外から来ている方が多く働いていらっしゃいます。
4 転院は一苦労

本土でも、例え隣の病院だとしても患者さんを転院させるのは大変ですよね。
島の場合ですとドクヘリ、飛行機、高速船を利用し、患者さんを本土へ送ります。
ドクターヘリ
例えば、緊急を要するがドクターの人員不足が原因で島ではオペができないような場合などは、ドクヘリを使います。
飛行機
飛行機は、鹿児島本土ではなく遠い県外への転院時に使っていましたが、かなりまれなケースです。
気圧の変化は、病気を抱えている患者さんの身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
転院の計画は練りに練って、ご家族への説明も念入りにする必要があります。
高速船
高速船は緊急ではない転院時、ナースも付き添っていきますが、1日がかりです。
私の場合は高速船に乗り慣れていないのと、鹿児島本土の土地勘もないだろうとの理由で、転院時の付き添いは免除されていました。
高速船に乗り慣れていて鹿児島本土についても詳しい応援ナースさんでしたら、もしかしたら付き添いを頼まれるかもしれませんね。
5 島民には院内ルールはあってないようなもの
のんびり屋さんで何からも縛られない、おおらかな性格の患者さんやご家族が多いのは、島だからではないでしょうか。
病院の受付をスルーし、面会許可証をもらわず病棟へ上がってくる人は多いです。
お酒・たばこが床頭台の引き出しに入っているケースも、本土に比べると多いです。
自由にやらかしてくれちゃっていますが、もちろん注意します。
6 台風の影響がある
台風が近づくと、車通勤のナースさんからシフト変更を頼まれたりします。
応援ナースの看護師寮は病院から徒歩1分の所にあるので、台風時に通勤可能な人材として扱われるからです。
とはいえ台風直撃時に出勤するのは、徒歩1分でも身の危険を感じます。

強風がまじ怖かよ~
また、病棟の窓のサッシの隙間から大量に雨漏りします。
そのため、サッシというサッシすべてに尿取りパッドや犬猫用の吸水パッドを詰め詰めし、台風に備えます。
7 虫に遭遇する確率が高い
院内でよく見かけるのは、アリ(行列)、G(あのにっくき黒いやつ)、くも(手のひらサイズ)です。
ブラックキャップがたくさん設置してある病棟もあります。
とはいえ、スタッフさんは虫に強い方が多いので安心です。

よっ必殺仕事人!
さいごに、《へき地医療拠点病院》の特徴7選のまとめ
《へき地医療拠点病院》と言えど、離島であるが故の特色は強いですね。
離島の病院ではこんなこともあるよ、ということを頭の片すみにでも覚えておくと良いですね。
実際今回紹介したような状況に出会ったときに、戸惑いが少ないと思います。
なんだかデメリットっぽくなってしまいましたが、島はホントに良い所なんですよ。