Dr.コトーの様な状況は起こりうる?
離島応援ナースって、Dr.コトー診療所みたいなことが本当に起きるの?
これは漫画ですので、全部が全部本当のことではありません。
虫垂炎(盲腸)で激しい腹痛を訴える男の子のオペを、漁船の上でするシーンがありますよね。
船上でいきなりオペを始められたら、私だったら100%吐きますね、開腹の上に。
船旅は寝るに限る
とはいえ正直なところ、エピソードにもよります。
「あんなのは絶対起こらん」とは言い切れません。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、漫画にも描かれている腹部大動脈瘤のオペは、実際にモデルとなった先生とナースの2人だけで島で施行したそうです。
とうわけで今回は、離島応援ナース(以下離島ナースとします)が行く応援先の【へき地医療】についてお話しします。
【へき地医療】とは
そもそも【へき地】とは、ざっくり言うと田舎よりもさらに田舎という意味です。
そこでの医療体制のことを【へき地医療】と言います。
厚生労働省でも【へき地医療】についてちゃんと定義されていますが、こちらのホームページの(方が見やすかったので)リンクを貼っておきます。
つまり《へき地医療支援機構》という団体が、《へき地診療所》とそれを支える《へき地医療拠点病院》とを繋いだりまとめたりするシステムです。
このシステム、それぞれを具体的に説明しますと
この【へき地医療】の体制は、都道府県ごとに設置されています。
もちろん【へき地】がない都道府県は設置されていません。
離島ナースが派遣される【へき地】
離島ナースが応援へ行く医療機関のほとんどは《へき地医療拠点病院》とそれに準ずる病院*、老健になります。
《へき地診療所》から募集がかかるのはまれです。
ですので、漁船に乗っていきなり開腹手術を始めるような状況にはほぼ遭遇しないと思っていただいてよいです。
鹿児島・沖縄県内にある徳洲会グループは、【へき地医療】のどの立ち位置にいるのか謎です。
調べても《へき地診療所》《へき地医療拠点病院》どちらにも医療機関名が挙がってきません(他の都道府県にある徳洲会グループは、【へき地医療】に含まれる医療機関もあります)。
国から【へき地医療】のシステムを構築する指示が出るずっと以前より、徳洲会は【へき地医療】を実行しているので、独自のシステムがありそうです。
ですので準ずる、としました。
詳しい方がいらっしゃいましたら教えておくんなまし
《へき地診療所》へ行ったことのある応援ナースさんの話では、
まさにDr.コトー診療所だよ
とのこと。
常識が通用しないから驚きの連続だそうです。
担当者さんも、いい経験になると思いますよ!と話していました。
私は未経験ですが、興味があって機会があれば応募してみてもいいかもしれませんね。
さいごに、離島ナースの応援先【へき地医療】とはのまとめ
基本的には《へき地診療所》でない限り、漫画で描かれているような自分自身が追い込まれて切羽詰まった状況にはなりません。
ただ、冒頭にもありますようにエピソードによりますし、絶対あり得ないという話ではありません。
なぜならば、いくら拠点病院と言えども離島にあるからです。
次回は、離島ナースが【へき地医療】で直面する実状についてお話したいと思います。