遠くへ応援に行った際にふと、ハガキやお手紙を書きたくなるときってありませんか?
メールやLINEではなく、なぜか相手の手元に残る物を。
観光地では素敵なご当地ポストカードや一筆箋などが手に入りますし、持っているだけで思い出になりますよね。
私自身も友人や家族へ宛てて一言送ったりもしますが、頻回に書かないのにも関わらずポストカードなどは何となく集めてしまいます。
今回は、応援先で出会った一風変わった『葉書』について掘り下げて説明します。
ハガキとは『葉書』です
『葉書』という言葉の由来をご存知ですか?
葉書は読んで字のごとく、葉っぱに字を書いたものを指します。
今では葉っぱに字を書いて送る人はとんとみかけませんね。
ですが、昔は実際にそれを通信手段としていたのです。
どれくらい昔かというと、戦国時代です。
葉書の書き方
葉書に使う葉っぱはタラヨウ(多羅葉)という植物です。
厚さがありしっかりしていて、長細い形をしていますが手のひらぐらいの長さがあります。
調べてみると、日本では静岡県よりも西側の地域に自生しているらしいですね。
使うのは葉っぱの裏側です。
傷を付けるとその部分が黒く変色します。
この性質を利用して、木の枝など先のとがったもので字を書いていたようです。
誰がどんなときに使っていたの?
けど、戦国時代よりもずっと前にすでに紙があったはずよね?
たしかに、博物館などに展示されている当時の書状などは紙媒体ですし、その頃は紙を使っていたことがわかりますね。
では、誰がどんなときに葉っぱのハガキを使っていたのかというと
正解は忍者です。
紙と墨を用意せずとも、タラヨウの葉っぱと枝があればその場で知った情報を書き留めておけたのです。
想像してみてください。
隠密行動中に、いきなり硯で墨をごりごりと磨り始めたら見つかってしまいますものね。
アウト~
忍者が密かに使っていたのには納得ですね。
タラヨウのここがすごい!
忍者が実際に使っていた葉っぱタラヨウの、ハガキとしてすごい点を3つ紹介します。
1 雨などに濡れても問題ない
葉っぱですので水には強く、紙よりも丈夫ですね。
また文字が滲むこともありませんし、消えることもありません。
とはいえ生ものですので、保管するならば超多湿は避けた方が良いらしいです。
徐々に空気中の水分を吸収するのか、全体が変色していきます。
2 書いた直後は文字が見えない
傷を付けた直後は、表面が少し凹む程度です。
その凹みで薄っすらと文字が見えるくらいです。
それが手品のように数分経つと徐々に黒い文字が浮かび上がってきます。
なんだか忍者っぽいですよね。
なんと!これで敵を欺いていたのじゃな
3 郵便できる
切手を貼って郵便局へ持っていけば、普通に送れるでござる
定形外郵便物の規格内として切手を貼り、実際に今でも本当に送ることができます。
とはいえ、そのなかでも【特例】に当たると思われます。
ですので送る際はポストへ投函ではなく、郵便局の窓口へ直接伺った方が安パイです。
葉書を実際に送ってみましょう
ということで、伊賀の忍者からタラヨウの葉っぱを1枚おすそ分けしていただきました。
6年も前の出来事ですので何を使って書いたのか忘れてしまいましたが、おそらくボールペンの先を出さないで書いたかと。
書いた直後は文字が見えないこともあり、細かい文字をまっすぐに書くのは結構難しいです。
書き終わって郵便局へそのまま持っていく(なんせ生ものなので新鮮な方が良い)と
送れますけど、きれいな状態で届くかどうか保証はできかねます~
とのこと。
郵便職員さんたちも葉っぱのハガキをお目にかかったのは初めてらしく、どうやったら傷つかず送れるのか四苦八苦です。
その結果無料でOP袋に入れ、住所と名前の部分を印刷して貼り付けてくださいました。
とっても丁寧なお仕事、ありがとうございました~
そして無事郵便していただいたのがこちら
まるでマジックで書いたかのように、文字ははっきり読めます。
ただ黒ずんでしまっている部分もあり、正直美しくはありませんね。
郵便途中の圧迫や擦れなどが原因でしょうか。
例えば褥瘡は圧迫を取り除けば治る可能性があるのはご存知だと思いますが、タラヨウは黒ずんだままなのでそこは残念な点だと思いました。
さいごに、ハガキとは『葉書』ですのまとめ
昔は葉っぱをハガキ代わりにしていたなんて驚きでした。
当時忍者はどんなことを書いていたのかロマンがありますよね。
携帯で簡単に連絡を取り合える今だからこそ、たまにはこんな粋な葉書を送ってみても面白いのではないでしょうか。